中小企業のための会社健康診断~食料品製造業編~大事な大事な自己資本比率?!
添付のデータの数字をご覧になられ、自社の会社の数字と比較して、問題点や課題点、もしくはその優先順位を洗い出してみましょう。
今回は食料品製造業です。食料品製造業は利益率は低い傾向にあるが、景気変動の影響を受けにくく安定すると言われますが、いかがでしょう。
貸借対照表を読むときに最も注目すべきことは「自己資本比率」です。
自己資本比率は経営の安定性を表す指標であり、何より注目すべき数字です。銀行が会社のことを見る時も、とても重視する数字です。
数字自体は<自己資本÷総資本(自己資本+他人資本)>で簡単に求められます。
貸借対照表の右側の、上に負債が下には純資産が記載されていて、会社が資金をどのように調達しているかが分かるようになっています。
負債はいずれ返済しなくてはならない資金であり、純資産は返済が不要な資金です。
つまり、会社経営のために調達した資金のうち、返さなくてもいいお金の割合がどれくらいであり、借金はどれくらいなのか?を明確にするのが、自己資本比率なのです。銀行が気にするのも分かりますね。
今回事例で見ている食料品製造業の自己資本比率は、マイナスになっています。
業績が赤字になると自己資本は減少します。そしてそれが継続すると自己資本がマイナスになってしまうかもしれません。
自己資本がマイナスである状態を債務超過といいます。債務超過は今までの赤字の累計が資本金を上回っている状態です。債務超過の状態では、銀行からの資金調達の可能性は非常に低くなります。
事例はあくまで平均の数値を計算したものでありますが、自己資本比率がマイナスである会社は少なくないということが言えます。
業種にもよりますし、何%以上が良いかと一概に言えませんが30%以上が目標になるかと思います。しかし、それはなかなか難しいと感じる中小企業経営者もいらっしゃるかもしれませんが、少なくとも自己資本比率は二桁の10%以上は欲しいといえます。
こうした資産への注目は、損益計算書を見ているだけでは見えてこない数字です。 経営者として、もっと貸借対照表への興味と理解を高める必要があると言えますね。