できる社長のキャッシュ戦略 「社員は資金繰りを知りません」
多くの会社で社員さん向けに、“お金”の視点を題材とした研修、勉強会を行っておりますが、「資金繰り」という感覚を持ち合わせた社員さんに出会ったことはほぼありません。
当たり前と言ってしまえば当たり前なのかもしれませんが、
大半の経営者が常に「資金繰り」を意識しているのに対して、その乖離が大きく、
「売上が上がる」イコール「お金が入る」と考えている社員さんが多く、
「お金は常にあるもの」
「会社は常にあるもの」
と信じ、そこに疑問さえ感じていません。
いくら多くの売上があがったとしても、その金額を回収できなければ、意味がありませんし、それは損失となります。お金が回らない、つまり資金繰りが成り立たず、経営は窮地に陥ります。
そしてその回収業務を行っているのは、現場の社員さんであり、責任があります。
会社は資金で動いているのであって、資金繰りが止まると倒産してしまう。この事実は社員の皆さんしっかりと認識しておいて欲しい事実です。
当社ではその部分を、自分のお金と関連付けて認識してもらいます。
どうしても会社のお金はあくまで会社のお金として、自分事として考えられないという方が多くいらっしゃいますので。
なぜ毎月、売上請求の入金遅れがないか報告しているのか、遅れていたら状況を逐一報告しないといけないのか。それがどれほど重要なことなのか。
売上が上がるのはPL(損益計算書)で、お金が入るのはBS(貸借対照表)なんですね。
そして、BS(貸借対照表)の発想ができる社員が多い会社ほど、「資金繰り」に強い会社であって、回収モレがほとんどありませんし、あっても、長引くことはほぼないのです。