できる社長の保険戦略 「解約返戻金を活かす方法」
法人保険は加入した時点、つまり入口で保険料を損金として処理することで、 節税効果があるのは周知のメリットですが、
同じくらいのメリットとして、出口で解約返戻金として キャッシュを活用できることがあげられます。
一般的にはこの機会を利用して、 経営者の退職金などがあげられますが、 それ以外にも多数の活用方法が考えられます。
①設備に投資して減価償却制度を活用する
会社の設備投資に解約返戻金を使うという方法です。 例えをあげると、社用車を買い替える、社屋の壁を張り替える、というような使途です。
製造業であれば設備機器も対象になりますが、 多くの場合、買い替えのタイミングに合わせて、保険を組んでいる訳ではありません。
設備投資に、まだそれほど多額の資金を掛ける時期では無いような場合は、 保険を一部だけ解約する、という方法もあります。 「5千万円の解約返戻金があるが、そのうちの1千万円分だけを解約し、設備に使う」といった小刻みな解約なども賢い方法です。
②既存資産の損金と相殺する
解約返戻金で何かを購入する、投資するという方法ではなく、貸倒損失や固定資産の除去損、 棚卸し資産の評価損などの既存資産を活用した損金と解約返戻金を相殺するという方法です。
こうした手法はPLではなくBSを活用して、自社の決算書を組み立てる手法となります。
③解約返戻金を活用して、新たに法人保険に加入する
これは、利益が十分に出ているから、その利益を再び損金に算入する、という方法です。 保障を維持できること、そして解約返戻金のピークを、さらに都合の良いタイミングに移せることがこの手法のメリットです。
この再投資については、加入している保険の契約をすべて解約する、というものではなく、毎年少しずつ解約していって、その返戻金を新しい保険の保険料に充てていく、ということが可能です。
以上、 繰り返しご紹介しているように、法人保険では、キャッシュの活用方法、タイミング、効果とそれぞれのメリットを得ることができる優れたツールなのです。
経営者の打ち手の数を一気に増やすことができます。