陸王に見る、融資コンサルタントの視点①
大人気ドラマの「陸王」。 経営者仲間の間でも、ちょっとした話題になっていたりします。
話の中で、取引銀行が中々の役回りをしています。 「あんなに熱心な担当者はいない!」などの声があったりしますが、ここでは融資コンサルタントの視点から、何回かに分けてポイントをお話したいと思います。
まずは担当者について。
経営者の多くが、銀行と上手なつきあい方ができていないがゆえに、銀行に対する不満を抱えています。その中でも頻繁に変わる担当者にも大きな不満を感じています。
しかし、担当者の交代のタイミングは銀行と深い関係を築けるチャンスになります。
銀行は2~3年に一度の割合で転勤があり、その度に担当者が変わります。頻繁に転勤がある理由として、次の3点があります。
①不正を防ぐ ②顧客との癒着を防ぐ ③行員の活性化
これらの理由から、銀行には「頻繁な担当者の交代」はつきものだと考えてください。 自社のことをよく理解してくれるような関係をようやく構築できたぐらいのところで、その担当者が転勤になったという話はよくあります。
しかし、そうなると、また新たな担当者と一から関係を作らなければならなくなます。
ここで、そのポイントをご紹介します。
まずは、会社に担当者を呼ぶのではなく、銀行を訪問し、担当者に会うのです。 わざわざ自分を訪ねてきてくれたというだけで、転勤して不安だらけの担当者は、その経営者に対して好意が格段に高まります。
新しい担当者は、担当した会社に対する知識がほとんどない状態で、引き継ぎます。特に融資を受けている場合は、担当者に会社に関する知識がないと、よい稟議書を書いてもらうことができません。
今までのようにスムーズに融資をしてもらえなくなる可能性も出てきます。そんな状況をさけるために「新担当者にクライアント企業の内容をできるだけ速やかに理解してもらうためのサポート」が必要となります。
新しい担当者が、すぐに会社の内容を理解できる資料(事業計画書・事業説明書など)をあらかじめ作っておくことで、速やかに会社に対する理解度が上がります。事業計画書・事業説明書を作っておけば、それを見せて1~2時間、新担当者にレクチャーするだけで、会社の内容を理解してもらえるようになります。
せっかく良い関係を作っても、銀行の担当者は、2~3年で異動により交代してしまいます。そうなると、また、一から関係を作らなくてはなりません。
担当者一人だけとしかパイプを作っていないと、そうなってしまいます。 だから、銀行と永続的に良い関係を作るためには、複数のパイプを持つ必要があります。
担当者との関係はもちろん大事ですが、銀行の支店そのものとの関係づくりが大事ですね。