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取り引きしている金融機関がなくなるリスク

初めてお会いしたクライアントの方に必ずお聞きします。

「あなたの会社は、いくつの金融機関とおつきあいしていますか?」ということ。

この場合の金融機関というのは、市中金融機関(銀行・信用金庫・信用組合)のことを表し、

日本政策金融公庫は数に含めません。

「3つ以上の金融機関とつきあっているよ」という返事があった場合は、

「それは、いいおつきあい方をされているのですね」とお答えし、別の話に入ります。

「2つしかつきあっていない」という返事であれば、「2つだけしかつきあっていないというのは、いざというとき、困ったことになるかもしれませんから、もう一つぐらい、取引金融機関を増やしましょう。」とアドバイスさせてもらいます。

「一つだけ」もしくは「懇意につきあっている金融機関はない」という返事の場合は、「それは、とてもリスクが高いので、直ちに、融資してくれる金融機関を開拓しましょう」といって、社長と一緒に新たな金融機関を開拓する準備を行います。

ひとつだけの金融機関としかつき合っていない場合、融資を申し込んで断られてしまうと、借り入れという資金調達の手段がなくなってしまいます。

あわてて、別の金融機関に融資の依頼に行っても、今まで取引がない金融機関であれば、必ず断ります。

金融機関にとっても、海のものか山のものかわからない経営者がいきなり飛び込んできて、

「今すぐお金を貸して」なんか言われても、貸せませんよね。

その経営者の考え方や性格、会社の内容がわからない状態で、貸す担当者はいません。決算書や事業計画書を提出しても、それが、本当のことが書かれているのかどうかも信じられませんし。そこで貸さなくても、その金融機関が損をすることはありませんので、不安定なリスクをとるぐらいなら、断ったほうが楽だからです。

また、「一つだけの金融機関しかつきあっていないけど、その金融機関は、よく面倒を見てくれるから、不便はない」

と言われる経営者もたくさんいます。

でも、その金融機関がなくなったらどうします?今は、金融機関が突然、破綻するということはありませんが、これからは、金融機関の合併は、必ず増えます。

合併する側の金融機関とつき合っていれば、環境は変わりませんが、吸収される側の金融機関とつきあっていれば、その金融機関の融資方針は当然変わります。昨日まで機嫌良くお金を貸してくれていたのに、合併したとたん、「融資方針が変わったので」と断られるという話も、枚挙に暇がありません。

そこから、新たな金融機関をさがしても、貸してくれる金融機関が現れるのは、どれだけ急いでも半年以上はかかります。それでは、いざというときに間に合わない。

だから、リスクマネージメントの意味でも、複数の金融機関とつきあっておくのは、とても重要なことなのです。

もし、あなたの会社が取引している金融機関が0もしくは1つしかない場合は、「新たに融資をしてくれる金融機関の開拓」をご検討ください。

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