節税を目的とした保険料は本当に効果的か?
経営者が保険に関して導入を検討する際、一番多いのはやはり節税対策でしょう。
できるだけ費用で落とせる保険で対応したいというのが本音でしょう。
これは、保険料を払って利益を圧縮できれば法人税が減るからという理に適った措置です。
しかし、いくら全額損金算入可の保険であっても、解約返戻率の低い商品を選択すると、
税の繰り延べ効果は大きくても、最終的に保険料の多くを保険会社に取られてしまいます。
それに引き換え、損金割合が少ない保険でも、最終的な解約返戻率が高ければ、資金ロスは少なくて済みます。
保険会社によって、そして保険の種類によってはもちろんですが、年齢・性別・保険期間などの要因で返戻率は大きく変わります。
保険を採用しうまく経営に活かすことができるかどうかの目安は、解約返戻率はできれば95%以上、少なくとも90%以上をみておきたいです。
全額損金算入だからといって7割しか戻らないというのは、3割税金を負担する以上の負担になります。
戻ってきた7割にもまた課税されてしまうからです。
長期の視点で会社経営を考えた場合、その場の状態だけで判断するのではなく、判断の軸も長期視点でなければなりません。
損金算入割合だけにとらわれず、ちゃんと税金を払って内部留保に回した方がよほど会社のためになるという判断もできます。